基礎ゼミナールA (R) / 経済・経営入門ゼミA (R) 1学期

経済学の考え方

Last updated: April 16, 2019  
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問題  以下の問題のうち,選択形式の場合は適切なものを選択してチェックしなさい。 また,記述形式の場合はテキストボックスに適切な語句,数字,英字を記入しなさい。 数字と英字の場合,とくに指定がない限り1バイト文字(半角)を使用しなさい。

1.サンクコスト

 これまでに投じた費用のうち回収できない分をサンクコスト(sunk cost,埋没費用)という。 サンクコストがいかに大きくとも,将来へ向けての意思決定ではそれにとらわれるなという意味で用いられる。

Q01 次の文のうち,サンクコストの意味として正しいものをすべてチェックしなさい。

    

2.機会費用

 ある選択Aをしたことで,他の選択をしたなら得られたであろう利益を失うことになる。 その失った利益のことを選択Aの機会費用(opportunity cost)という。

Q02 仕事で目的地へ行くのにバスかタクシーか2つの選択がある。バスで行くと料金が300円かかる。 タクシーで行くと料金が1100円かかる。ただしタクシーで行くとバスより1時間節約できる。 1時間の時間価値(時間当たりの賃金など)が1500円だとしたとき,バスで行くときの機会費用はいくらか。 これは次のようにして計算できる。

   バスで行くときの機会費用
   =バス料金+タクシーなら得られた利益
   =バス料金+(タクシーなら節約できた時間価値−タクシー料金)
   =
    

Q03 上の式は,機会費用=実際費用+逸失利益,を表しているようだが実はちょっと違う。 式を続けて変形してみよう。ただしバスで行くと2時間,タクシーだと1時間かかるとする。

   =バス料金+((バス時間−タクシー時間)×時間価値−タクシー料金)
   =(バス料金+バス時間×時間価値)−(タクシー料金+タクシー時間×時間価値)
   =「バスで行く総費用」−「タクシーで行く総費用」
   =円−円
   =
    

 機会費用を考えるとき,実際の支払い費用だけでなく,時間費用や金利コストなど 見えない費用を考慮することがポイントである。問題がややこしくなったとしても, 機会費用を計算するには次のどれかを適用すればよい。

   選択Aの機会費用=「選択A以外の選択のうちの最大の利益」
   選択Aの機会費用=「選択Aの費用」−「すべての選択のうちの最小の費用」
   選択Aの機会費用=「すべての選択のうちの最大の利益」−「選択Aの利益」
   選択Aの機会費用=「すべての選択のうちの最大の資産」−「選択Aの資産」

Q04 大卒者の初任給が300万円だとする。1年間で50(週)×5(日/週)×8(時間/日)だけ 働くとする。このとき時間価値は
     円/時
である。いま学生アルバイトの時給が900円/時だとする。授業に出れば上の初任給が得られるが, 授業に出ないでバイトをしたとき時給が900円/時のままだとする。このとき 授業に出ないことの機会費用は
     円/時
である。

    

Q05 1回90分の授業の価値を費用で計ってみよう。1年間の授業料を100万円, 1年間の取得単位数を32単位,2単位が15回の授業で成り立っているとするとき, 1回の授業の費用はいくらか。小数以下四捨五入して円単位で。
     円/回
実際には,授業時間の2倍の時間を自習に当てることが定められている。 すると「授業時間+自習時間」(4.5時間)当たりの費用はいくらだろうか?

    

Q06 おじさんが100万円の自動車をプレゼントしてくれた。これを使うとき,駐車場代, 燃料代,維持費については全部おじさんが払ってくれるという。 このとき1年間の機会費用はいくらか。ただだろうか。 小数以下四捨五入して円単位で。
(注) 前提条件: 駐車場代36万円/年,燃料代24万円/年,維持費10万円/年,預金金利2%/年, 自動車の年間償却費10万円。
(ヒント)「売却したときの1年後の資産」と「使用したときの1年後の資産」の差を考えよ。
     円/年

    

3.比較優位

A,Bという生産者がそれぞれX,Yという生産物を生産しているとき, AがBと比べて,YよりXをより効率的に生産できるとき, AはXの生産において比較優位(comparative advantage)にある,という。 2人以上の主体と2つ以上の生産物に対して成り立つ考え方である。

Q07 A君とB君はそれぞれ一人でソフトウェア会社を経営している。 A君は1週間営業活動をすると4件の契約をとれる。また1週間プログラム作成 をすると2千行作成できる。 またB君は1週間営業活動をすると2件の契約をとれ,1週間プログラム作成 をすると0.8千行作成できる。これを表にすると表3.1のようになる。

表3.1 A君とB君の生産性

    

営業による契約件数

プログラムの生産性

A君

4件/週

2千行/週

B君

2件/週

0.8千行/週

1週間当たりの生産性という点で見る限り,A君はどちらの生産性においても B君より絶対優位にある。しかし,比較優位という観点を持ち込むと事態は変わってくる。 A君が1週間かけて4件の契約をとると,一方でプログラム2千行を失っている。
(a) よって,A君が1件の契約をとる機会費用をプログラム行数という単位ではかるといくらになるか。
(b) 同様に,B君が1件の契約をとる機会費用をプログラム行数という単位ではかるといくらになるか。
(c) 機会費用の少ない方が効率が良いとすると,契約をとるのはA君とB君のどちらが効率が良いか。
A君が1週間かけてプログラム2千行を作成すると,一方で契約4件を失っている。
(d) よって,A君がプログラム1千行を作成する機会費用を契約件数という単位ではかるといくらになるか。
(e) 同様に,B君がプログラム1千行を作成する機会費用を契約件数という単位ではかるといくらになるか。
(f) 機会費用の少ない方が効率が良いとすると,プログラムを作成するのはA君とB君のどちらが効率が良いか。
次の表と文章の空欄を埋めなさい。数値は小数1桁まで記入しなさい。

表3.2 契約をとることとプログラムを作成することの機会費用の比較

    

契約をとることの
機会費用

プログラムを作成する
ことの機会費用

A君

(a)千行/件

(d)件/千行

B君

(b)千行/件

(e)件/千行

よって,(c)君は契約をとることに比較優位があり, (f)君はプログラム作成に比較優位がある。
いまA君の会社とB君の会社が合併して,それぞれが比較優位をもつ生産に特化するとすれば, 1週間で契約(g)件, プログラム(h)千行が生産できることになる。

    

Q08 上の例の結論として,A君とB君とが合併してそれぞれ1週間(のべ2週間)働くことで 全部で契約(g)件,プログラム(h)千行が生産できた。
ここで,もし合併しないで,A君とB君のそれぞれが単独でg/hの比率で契約とプログラムを 生産するとしたら,全部でどれだけ生産できるか計算してみよう。
A君が1週間のうちx週間だけ契約をとる仕事に従事し,(1-x)週間だけプログラムを作成する 仕事に従事するとする。表3.1の生産性をもとに計算すると
    A君は1週間で4x件だけ契約がとれ,2(1-x)千行だけプログラムを作成できる。
    よって,g/h=4x/{2(1-x)}を解いて, x=(1)(分数で)となる。
    これをもとに,契約件数=(2)(分数で)件, プログラム作成数=(3)(分数で)千行となる。
一方,B君が1週間のうちy週間だけ契約をとる仕事に従事し,(1-y)週間だけプログラムを作成する 仕事に従事するとする。表3.1の生産性をもとに計算すると
    B君は1週間で2y件だけ契約がとれ,0.8(1-y)千行だけプログラムを作成できる。
    よって,g/h=2y/{0.8(1-y)}を解いて, y=(4)(分数で)となる。
    これをもとに,契約件数=(5)(分数で)件, プログラム作成数=(6)(分数で)千行となる。
すると,A君とB君のそれぞれの成果を足して,契約件数=(7)(分数で)件, プログラム作成数=(8)(分数で)千行が生産されることになる。
これは,どちらにおいても先のQ07でみた合併の成果よりも生産量が低い。よって, 単独で活動するよりも,合併して比較優位のある仕事に特化した方が全体として 高い生産量を得ることができることが分かる。

    

4.インセンティブ

一般に人々は,ペナルティ(罰則)の脅威によって行動を規制させられるよりも, 報償(ごほうび)によって行動を誘導される方が従いやすいという。 この行動原理を利用して,「人々の合理的な行動(自己利益追求)が社会的な 利益につながるように人々を誘導するような報償をインセンティブ(incentive) という」。

  1. 個人の行動の合理性(自己利益追求)が社会的に容認されるための必要条件は何か。
    (ヒント) 他者の利益
  2. ボクシングは上の必要条件を満たすか。スポーツとしての合理性は何か。
    (ヒント) ルールの共有
  3. インセンティブ報酬について論じなさい。
    • 努力が観測できないケース
      PがAに固定報酬で仕事を委託するとき,Aが努力する(費用をかける)と利得(P,A)は (285,10)で,Aが努力しないと利得は(165,40)である。一方, PがAにインセンティブ報酬で仕事を委託するとき,Aが努力すると 利得(P,A)は(230,65)で,Aが努力しないと利得は(150,55)である。 Pはどちらの契約方式を選択するか。
    • 努力が観測できるケース
      PがAに固定報酬で仕事を委託するとき,Aが努力する(費用をかける)と利得(P,A)は (285,10)で,Aが努力しないと利得は(225,-20)である。一方, PがAにインセンティブ報酬で仕事を委託するとき,Aが努力すると 利得(P,A)は(230,65)で,Aが努力しないと利得は(225,-20)である。 Pはどちらの契約方式を選択するか。
    • 上の2つの例で,Pの利得の差はどのような意味をもつか。
  4. 空き缶のディポジット制度について論じなさい。
  5. エコポイント制度について論じなさい。
  6. 出席を評価するかしないかについて論じなさい。

5.モラルハザード

約束(契約)をしたあとで,約束を守る努力をしない方が利得が大きいという 理由で,約束を怠るように行動することをモラルハザード(moral hazard,倫理危機)という。 約束したあとの努力(倫理)の欠如は観測できないことが多い。「隠れた行動」の問題ともいう。 次のような例が挙げられる。

  1. 自動車保険の契約をした。事故の後始末の費用は保険金で払えるという理由で 運転が粗雑になる。(cf)保険会社の免責の役割は何か。
  2. 常に歩行者優先というルールにすると何が起こるか。バスの直前横断は防げるか。
  3. 依頼人が代理人に仕事を頼むとする。固定報酬だと代理人は努力をするだろうか。
  4. その他...

問題

依頼人が代理人に仕事を頼もうとしている。仕事が成功しても失敗しても固定報酬w万円を支払い, 成功すればさらにボーナスb万円を支払うという条件を提示しようとしている。 w,bの値をいくらにすれば,代理人が努力するインセンティブをもち,かつ 依頼人の利得を最大にできるだろうか。

         
          (出典)岡田章(2008),ゲーム理論・入門,有斐閣アルマ,p.182-188

  1. 依頼人が固定報酬w万円,ボーナスb万円を提示する。
  2. 代理人はそれを断るか受け入れるかを選択する。
  3. 代理人が断れば,依頼人の利得は0万円,代理人の利得も0万円である。
  4. 代理人が受け入れるとき,仕事をするに当たって, 努力しないかまたは努力するかを選択する。
  5. 努力しなければ代理人の費用は20万円ですむ。 努力すれば費用は100万円かかる。
  6. 代理人が努力しなければ仕事は失敗して依頼人の収入は0万円である。 依頼人はそれでも固定報酬w万円を支払わねばならないので, 依頼人の利得は−w万円である。代理人は努力しなくても固定報酬w万円を受け取り, かかる費用は20万円なので,代理人の利得はw−20万円である。
  7. 代理人が努力するとき,仕事が成功する確率は0.8で失敗する確率は0.2である。
  8. 仕事が成功するとき,依頼人は収入600万円を得る。そこから固定報酬w万円と ボーナスb万円を代理人に支払うので,依頼人の利得は600−w−b万円である。 代理人の利得はw−100+b万円である。
  9. 仕事が失敗するとき,依頼人の収入は0万円だが,固定報酬w万円を代理人に 支払うので依頼人の利得は−w万円である。代理人の利得はw−100万円である。

          解き方:依頼人は「代理人が自己の利得を最大化するように行動する」と先読みして,
          その結果に基づいて最初の自己の選択をする。 つまり,ゲームの木の末端から,プレイヤーの
          利得最大行動を仮定して「後ろ向き推論」を行う。

Q09 固定報酬w=200万円,ボーナスb=0万円の場合,つまり固定報酬だけしかない 場合どうなるだろうか。

  1. 代理人が努力して,かつ成功すれば代理人の利得は(a) 万円である。
    代理人が努力して,かつ失敗すれば代理人の利得は(b) 万円である。
  2. よって代理人が努力したときの利得の期待値は,確率を用いて
             (a)×0.8+(b)×0.2=(c)万円
    と計算される。
    一方,代理人が努力しないときの利得は (d)万円である。
  3. したがって,代理人が努力するかしないかについては,(c)と(d)を比較して, 努力を(e)方を選択すると予想できる。
  4. よって代理人が仕事を受け入れるとき,努力を(e)で利得 (f)万円を得る。
    一方,代理人が仕事を断るとき利得(g)万円を得る。
  5. したがって,代理人が仕事を受け入れるか断るかについては, (f)と(g)を比較して,仕事を(h) 方を選択すると予想できる。
  6. このとき,依頼人の利得は(i)万円となる。 依頼人は仕事を依頼(j)方がよい。

    

Q10 固定報酬w=200万円,ボーナスb=150万円の場合どうなるだろうか。

  1. 代理人が努力して,かつ成功すれば代理人の利得は(a) 万円である。
    代理人が努力して,かつ失敗すれば代理人の利得は(b) 万円である。
  2. よって代理人が努力したときの利得の期待値は,確率を用いて
             (a)×0.8+(b)×0.2=(c)万円
    と計算される。
    一方,代理人が努力しないときの利得は (d)万円である。
  3. したがって,代理人が努力するかしないかについては,(c)と(d)を比較して, 努力を(e)方を選択すると予想できる。
  4. よって代理人が仕事を受け入れるとき,努力を(e)で利得 (f)万円を得る。
    一方,代理人が仕事を断るとき利得(g)万円を得る。
  5. したがって,代理人が仕事を受け入れるか断るかについては, (f)と(g)を比較して,仕事を(h) 方を選択すると予想できる。
  6. このとき,依頼人の利得は(i)万円となる。 依頼人は仕事を依頼(j)方がよい。

    

Q11 固定報酬w万円,ボーナスb万円として,変数のままで考察しみよう。 それによって,依頼人がどのようなw, bの値を提示すればよいか考察してみよう。

  1. 代理人が努力して,かつ成功すれば代理人の利得は(a) 万円である。
    代理人が努力して,かつ失敗すれば代理人の利得は(b) 万円である。
  2. よって代理人が努力したときの利得の期待値は,確率を用いて
             (a)×0.8+(b)×0.2=(c)万円
    と計算される。
    一方,代理人が努力しないときの利得は (d)万円である。
  3. したがって,代理人が努力するようなインセンティブを持つための必要条件は,
             努力したときの利得(c)≧努力しないときの利得(d)
    である。これを解くと
             (e) b
    となる。つまり,ボーナスbは(f) 万円以上でなければ代理人は努力する意欲が湧かない。
  4. さて(e)の条件のもとで,代理人が仕事を受け入れて努力するとき利得(c)万円を得る。
    一方,代理人が仕事を断ると利得(g)万円を得る。
  5. したがって,代理人が仕事を受け入れるためには,さらに
             受け入れて努力したときの利得(c)≧断るときの利得(g)
    であることが必要条件となる。これをw, bを用いて表すと
             (h) b
    となる。
  6. よって,条件(e)と(h)を満たすようなw, bの組合わせが, 代理人に仕事を受け入れさせて努力を促すような提示になる。
  7. このとき,依頼人の利得はw, bを用いて
             (i)
             万円となる。
  8. これが最大になるのは,条件(h)より
             (j)
    のときで,そのとき(k)万円となる。 さらにこのとき,条件(j)とともに(e)が成り立つとすると固定報酬wについて
             (l) w
    でなければならない。

    

6.逆選択

ある会社が年収1,500万円を提示して優秀な技術者を採用しようとしている。 このとき,自分がそれを上回る能力(価値)があると思っている技術者は応募しないだろうし, 逆にそれ以下の能力の技術者はこれを好機と見て応募してくるだろう。 すると採用されるのは年収1,500万円以下の能力の者という結果になりそうだ。 このように,優秀かどうかわからないという「隠れた情報」のために, 本来優秀な人材を採用しようとしたのにそれ以下のレベルの人材が混じってしまうことを 逆選択(adverse selection)という。

問題 ある会社が「優秀な技術者求む,年収相談」という条件で優秀な技術者を1人だけ 採用しようとしている。

  1. 会社は,採用試験に合格して入ってくる技術者のうち40%は優秀で,残り60%はふつうだと思っている。
  2. 会社は,優秀な技術者ならそのうち70%は高度な資格Zを持っていること, ふつうの技術者の場合でもそのうち20%は高度な資格Zを持っていること,を情報 として知っている。
  3. いま技術者を1人採用したとき,その技術者が優秀だと会社の1年間の利益が2,000万円増え, ふつうの技術者だと会社の利益が600万円増える,とする。

Q12 採用試験だけで技術者を採用する場合,会社が支払ってもよいと考える年収は いくらだろうか。利益増の期待値をもとに考えると,
    2,000万円×(a)+ 600万円×(b)= (c)万円
となる。

    

Q13 採用試験に加えて,高度な資格Zを取得しているかどうかを考慮することにする。 このとき資格Zを持っている者に,会社が支払ってもよいと考える年収はいくらか。 また資格Zを持っていない者に,会社が支払ってもよいと考える年収はいくらか。
 まず上の情報から判断すると,技術者が優秀か,ふつうか,資格Zありか,資格Zなしか, ということがらを組み合わせた確率は次のように考えられる。

表13.1 技術者が優秀か,ふつうか,資格Zありか,資格Zなしかの確率

    

優秀

ふつう

資格Zあり

(a)

(c)

資格Zなし

(b)

(d)

(注) (a): 優秀でかつ資格Zありの確率。
        (b): 優秀でかつ資格Zなしの確率。
        (c): ふつうでかつ資格Zありの確率。
        (d): ふつうでかつ資格Zなしの確率。

これをもとに考えると,
        資格Zありのとき優秀である確率=a/(a+c)=(e)
        資格Zありのときふつうである確率=c/(a+c)=(f)
        資格Zなしのとき優秀である確率=b/(b+d)=(g)
        資格Zなしのときふつうである確率=d/(b+d)=(h)
となる。よって,
        資格Zありのとき会社が支払ってもよいと考える年収=
                2,000万円×(i)+ 600万円×(j)= (k)万円
        資格Zなしのとき会社が支払ってもよいと考える年収=
                2,000万円×(l)+ 600万円×(m)= (n)万円
となる。

    

7.囚人のジレンマ

協力するときの利益(社会的利益)が大きいにもかかわらず,一時的に協力を離れる方が 個人的利益が大きくなるため,協力関係が破綻して結果的に全員が悪い状況におかれる ことになってしまう,という現象を「囚人のジレンマ」という。

Q14 いまある地区の住民Aと別の地区の住民Bとが共通して自動車で利用する道路が1本ある。

  1. どちらの住民もが自由に道路を使うと混雑してしまう。そのときの状態から得られる 住民Aの利得と住民Bの利得とを並べて(0, 0)のように表すことにする。 利得が共にゼロという意味であるが,この状態を利得のベンチマーク(基準)とするという意味である。
  2. 一方,住民Aと住民Bとが約束して,それぞれの地区内で自動車の利用頻度を 抑えて適度な頻度にすると利得は(10, 10)となる。
  3. 住民Bが適度な利用の約束を守っているときに,住民Aが約束を破って自由に道路を 利用すると,住民Aの利得は15,住民Bの利得は-5となる。つまり(15, -5)
  4. 住民Aが適度な利用の約束を守っているときに,住民Bが約束を破って自由に道路を 利用すると,住民Aの利得は-5,住民Bの利得は15となる。つまり(-5, 15)

これを表にして整理すると次のようになる。

  表14.1 住民Aと住民Bの道路利用に伴う利得行列
  ────────┬───────────
          |    住民B
          ├─────┬─────
          |適度に利用|自由に利用
  ──┬─────┼─────┼─────
   |適度に利用|1010−515
   ├─────┼─────┼─────
   |自由に利用|15−5| , 
  ──┴─────┴─────┴─────
  (注) 各セルの,左は住民Aの利得,右は住民Bの利得を表す。

住民Aには「適度」か「自由」の戦略がある。住民Bにとっても同じである。 両者の戦略を(住民Aの戦略,住民Bの戦略)のように1つの組として表現することにする。

  1. いま(適度,適度)のとき
    • 住民Aの最適応答戦略は(a)である。
    • 住民Bの最適応答戦略は(b)である。
    • よって均衡する/しない(c)
  2. (自由,適度)のとき
    • 住民Aの最適応答戦略は(d)である。
    • 住民Bの最適応答戦略は(e)である。
    • よって均衡する/しない(f)
  3. (適度,自由)のとき
    • 住民Aの最適応答戦略は(g)である。
    • 住民Bの最適応答戦略は(h)である。
    • よって均衡する/しない(i)
  4. (自由,自由)のとき
    • 住民Aの最適応答戦略は(j)である。
    • 住民Bの最適応答戦略は(k)である。
    • よって均衡する/しない(l)

以上をもとにすると,共に最適応答戦略を選択しているゲームの解(均衡解)は ((m),(n))である。

    

Q15 次のゲームの解を求めなさい。Aが高速道路を利用する価値は3千円,Bは1千円である。 どちらか一方が利用するとき損失はないが,両者が同時に利用すると 混雑のためそれぞれに−4千円の損失が発生するとする。

求め方

  1. Bが戦略1を選択しているときのAの最適応答戦略を求める。
  2. Bが戦略2を選択しているときのAの最適応答戦略を求める。
  3. Aが戦略1を選択しているときのBの最適応答戦略を求める。
  4. Aが戦略1を選択しているときのBの最適応答戦略を求める。
  5. ともに最適応答戦略を選択している組が均衡解(ゲームの解)である。
  表15.1 高速道路料金が2千円のときの利得行列
  ────────┬───────────
          |    住民B
          ├─────┬─────
          | 利用する|利用しない
  ──┬─────┼─────┼─────
   |利用する |−3−5 1 0
   ├─────┼─────┼─────
   |利用しない| 0−1| , 
  ──┴─────┴─────┴─────

  解は,( (a), (b) )である。

  表15.2 高速道路料金がただのときの利得行列
  ────────┬───────────
          |    住民B
          ├─────┬─────
          | 利用する|利用しない
  ──┬─────┼─────┼─────
   |利用する |−1−3 3 0
   ├─────┼─────┼─────
   |利用しない| 0 1| , 
  ──┴─────┴─────┴─────

  解は,( (c), (d) )であるか,
  ( (e), (f) )である。

    

8.共有地の悲劇

Q16 問題を読んで次の空欄に解答しなさい。

  a
  b
  c
  d
  e
  f
  g
  h
  i
  j

    

9.現在価値

Q17 問題を読んで次の空欄に解答しなさい。

  a
  b
  c
  d
  e

    

10.ゲーム理論

Q18 チキンゲーム を読んで次の空欄に解答しなさい。

  a
  b
  c
  d
  e
  f
  g
  h

    

11.データで社会を見る (印刷して提出)

  課題1a 世界の二酸化炭素排出量 (sinfII-01a.xls)
  課題1b 経済成長とCO2排出量および排出原単位との関係 (sinfII-01b.xls)
  課題1c 都道府県別にみた野菜の作付状況 (sinfII-01c.xls)

  課題提出 (20yy年mm月dd日(ww) hh:mm B棟202号室)

以上